こんにちは!
スピリチュアルコンサルタントで
スピリチュアルライタ ーの知念樹里です(^^)
前回お話したノロ(神人、神(祝)女)とユタについて
少しお話ししたいと思います。
その前に、沖縄の歴史について少し説明する必要があるので、
その部分からお話しさせて下さいね。
まず沖縄が昔、琉球として独自の国家を持ち、独自の文化と
王朝時代を築いていたことはご存じの方もいらしゃるかと思います(’_’)
この王朝時代が出来上がる前は、沖縄本島は北部、中部、南部、
と大きく3つに分かれていました。
王朝時代に入りますと、第一尚巴志王という方が、この北部、中部、南部
を統一して一つの琉球王国を作ったとされていて、歴史の記録ではそれが
1429年のことになっています。
でもこの王朝って、まだ出来たばかりの王国だったせいか情勢は不安定で、
あちこちでクーデターや反乱とかが起きて、政権としてはたったの63年で
崩壊しちゃったのです。
で、続いて第二尚氏王朝が1476年に始まるのですけれど、
その第二王朝を開いたのは尚円王という方で、この尚円王が亡くなると、
弟の尚宣威という方が王位に就きました。
けれどもその即位式で、神様から別の者が国王であるという信託が出た、
ということで退位させられてしまい、当時まだ12歳だった尚真王が
王にふさわしいとされ、その尚真王が即位したんですね。
実はこの裏には色々、陰謀や策略もあった感じなのだとか。。。
詳しいことは記録証拠もないから何とも言えないけれど、
そもそも第一王朝が終わったのはクーデターによる、となっているから、
色々あって当然なのかもしれないですね。。。(-_=)
<焼けちゃいましたが、首里城です。その昔王や貴族、神(祝)女も住んでいました。>
でもこの頃からそういう神のお告げ、信託、というようなことは存在していて、
その神の声を聴く者もいたんですよね、琉球には。
で、この若かりし尚真王が、神(祝)女(ノロ)を体系化して国家公務員にし
ランク付けして沖縄全土に配置したのです。
もともと琉球の信仰は何かと言うと、精霊信仰とかのアニミズム(生物や
無機物など、この世の全てのものの中に、魂、または霊が宿っているという考え方)
と、先祖崇拝を基本にした信仰になります。
そして同時に、海のかなたにあるニライカナイという世界と、空の上にある
この世とは違う、他の世界があるという考え方があります。
この他の世界に、太陽神(ティダ神)を始め、多くの神様がいて、
私たち人間も死んだ後はそのニライカナイに渡って
子孫を守る守護神になると考えられています。
<ニライカナイ橋から見える神の島・久高島>
で、こうした神様たちは、時々現世にやってきて豊作をもたらしたり、
人々を災難から救うとされていて、神(祝)女(ノロ)は、これらの琉球の神たちと
交信することの出来る女性で、なおかつ祭祀の時には神様を憑依させて、
神様そのものになる、とされています。
だから神(祝)女、神人、と言うんですね。かみんちゅ、とも呼ばれたりするんですね。
普通の霊や人の霊をおろすわけではないので、それなりの格が高い存在
といいましょうか。
<グソー花と言われるハイビスカスは、沖縄ではあの世の花を意味しています>
日本本土でも行者さんの中で法力の強い方は、似たようなことをなさるのでは
なかったかしら?
山伏や密教なんかだとその方面にたけた方々がいらっしゃると聞いたことはあります。
このノロ、かみんちゅは、本土の巫女さんとも少し違っていて、
そうした力を持った行者さんと女性神主を足した感じ、と言った方が
分かりやすいかもしれません。琉球独自の国家神道を担う者、という感じですね。
あるいは、卑弥呼とかも近い存在かもしれません。
また日本本土の場合だと、女人禁制、などという世界が
仏教でも存在したりしますよね、女性はここから先は立ち入り禁止
みたいな場所もありますし。
。
沖縄は逆で、男性立ち入り禁止、が結構あるんです。
まあ、かかあ殿下の世界ですね、早い話が(笑)。
で、そのかかあ殿下、いや違う、、 失礼!(/–)/
ノロたちのトップに君臨していたのは、聞得大君(きこえおおきみ)
と呼ばれる特別なノロでした。
ノロは、だいたいは国王の妹が就任し、国王と琉球の国全土を鎮護するために
日々、お祈りしていたわけです。
ひと昔だと、弘法大師、空海様が密教を日本に広め、天皇を弟子とし
国家鎮護の役割を担い高野山を修行場、祈りの場、として創りましたが、
それに近い部分もあります。
沢山いる、中より上、上の下クラスのノロたちには、現代でいうと
800万~1,000万円くらいの年収に、さらに1,000坪くらいの土地を
与えられていたようなので、それからするとこのノロたちのトップにいた
聞得大君はもっと高級取りで、もっと大きな土地や屋敷(家)を持っていただろう
と思われますね。
大昔は租税米を一部おさめなくてもいい、という形でお給料をもらっていた、
ともあり、自給自足でお米で税金を納めていた時代でしたので、それはそれは
特別待遇だったわけです。退職金も今の額で言うとピンキリではありますが、
ざっと5,000万~7,000万円ほど。
すごいですね、私もその当時に生まれていたら、反発なんぞしないで
素直にありがたく、ノロになって身を粉にして
朝から晩まで祈りを捧げていたかもしれません(笑・いや、そうかな???)。
そしてこの聞得大君(きこえおおきみ)は、沖縄に今でも残っている
斎場御嶽(セーファーウタキ)という、琉球神道の神社のようなものがあるのですが、
その場所からニライカナイ、天空の神々に祈る他、首里城内にあった
10の御嶽(ウタキ)を管理していました。
<セーファー御嶽(ウタキ)。斎場と書いてセーファーと読みます>
彼女の下に、ノロの三役と呼ばれるようなポジションに就いていた者がおり、
彼女たちも多くは王家の出身であったようです。
さらにその下に琉球各地の神女(ノロ)がいて、その下にも根神または
根女、という、ニーガミと呼ばれていたポジションに就いている者たちがいました。
彼女らは主に、御嶽(ウタキ)という、琉球で集落、村を作る際に必ず設置されていた
琉球版神社のような聖地を管理し、そこの場所から神様へ祈りを届けていました。
<豊年祭を祝う島民たち。今も行事は続いている>
このノロは王家の血統がらみや、沖縄の各地域の豪族などの有力者の縁故の者が
だいたい就任するので、当たり前ですが霊力が弱いノロも結構いました。
例えば雨ごいのお祈りで、効果がない場合は、あのノロはダメだ、能力が足りない、
などと村人から批判されるわけです。
う~ん、きついなあ~。。。(- -;)
で、彼女らは能力開発、開花のために瞑想などの訓練をし、霊力をつけていったり、
それでも霊力のない者は失職したり、等々、国家公務員で高給取りの彼女たちでは
ありましたが、なかなか微妙な業界事情の中に生きていたようです。
行者さんたちも山にこもって修行したり、お坊さんもお経を唱えて修行したり、
禅を組んで瞑想したりしますよね。
霊感というのはこのようにして意図的に修行して、開花していくことも
可能なんですね。
では、今回はここまでとし、次回はまた引き続きノロ、ユタのお話について、
霊力や歴史のよもやま話のような脱線話しを交えてしていきますね!
ご拝読ありがとうございましたm(_ _)m
スピリチュアルコンサルタント
スピリチュアルライター
知念樹里
追記:このブログは学術的な内容ではなく、あくまで知念樹里の霊的感性、価値観、独断によるエンターティメントな執筆となりますので、一部、文献等で記載されている内容と異なる場合があります。また、本内容は掲載後に作者・知念樹里によってリライトすることがあります。ご了承下さい。